屋上にて 兄さん、兄さん… ルルーシュに効果が及ばないように、枢木スザクの体感時間を止める。 「よくやった、ロロ!」 「制限時間に気をつけて」 内心の複雑な思いを見せないよう、枢木スザクと皇女ナナリーに気付かれないよう、簡単に注意事項だけ告げ、カウントダウンを始める。 この力は絶対ではない。ただ気付かれにくくするだけ。 ルルーシュ、ルルーシュ… 「ナナリー!」 兄さんの愛してるのはナナリー皇女。 僕じゃない。 「今は別人のふりをしなくてはならない」 枢木スザク。 兄さんを苦しめる存在。 ああ、やっぱりこのまま殺していい?ルルーシュ…。 …そう、それでも殺したら悲しむんだね、兄さん。 「ナナリー!愛してる」 それは僕に向けられるべき愛なのに。 ナナリー皇女。 兄さんが一番愛してる人間。 コロシタイ。 そうしたら、ルルーシュは僕だけを見てくれる? 大好きな兄さんでいてくれる? でも殺さないよ。 兄さんが悲しむから。 胸の思いをくっと飲みこんで、僕はその場から立ち去った。 いつか、イツカ…。(fin) ------------------------------------------------- R2 6話直後に書いたもの。 ロロかわいそう、と思わせるのが制作陣の狙いなんだと思いますが、正に狙った所に落されました(苦笑) でもね、ロロは他の誰より幸せな死に方だったと思うんだ。 まさか命張って助けた最愛の兄に、半年ほどであの世で再会することになるとは思わなかっただろうけどね。。 |